犬儒のブログ

当事者のアマチュア文芸雑誌の編集顧問を務めています。『ノルウェイの森』の直子と同病の単純型統合失調症です。

本格派「当事者」雑誌

病者文学の梁山泊、『本格派「当事者」雑誌』を宜しく!

投資の話ですとか、せいぜい病気の話とか多いですけど、まあ、基本は純文学同人誌ということで、文学をやっている僕らです。 体験談みたいな事も3人称にして小説にまとめるとか、単調な作品はないです。 最初某京都大学卒の心理学の研究者の由名さんの5作…

茶番劇の精神科強制入院(『暁』より。やや創作)

六 「本当は申請主義なんですが……」と新任のK医師は言う。「ビル管理の仕事で札幌移住とか考えておられるんですよね。また私生活面とか、苦労が大変だと思うんです」この医師に会うのは二回目だ。「そうですね。まあ、食っていけないのでしょうがないのです…

「社会」~「『ノルウェイの森』論~統合失調症の恋人」より

●「社会」 (以下引用) いずれにせよ1968年の春から70年の春までの二年間を僕はこのうさん臭い寮で過した。どうしてそんなうさん臭いところに二年もいたのだと訊かれても答えようがない。日常生活というレベルから見れば右翼だろうが左翼だろうが、偽…

「ある青春」~「『ノルウェイの森』論~統合失調症の恋人」より

●序にかえて~ある青春 昔、僕には統合失調症と診断されている恋人がいた。1995年頃からだったろうか。「その恋はひどくややこしい場所に僕を運び込んでいた」(第一章)だろうか? 正確には当時の病名で緊張型精神分裂病だった。緊張型という亜種は一番…

『海辺のカフカ』論、クライマックス部分!!

同人誌創刊前に書いた文芸評論ですが、今『ノルウェイの森』論を書いているわけですが、順番が前後しますが、既に『海辺のカフカ』論は書き終えました。 昨日でしたかもご紹介しましたが、最も盛り上がっているところ、ちょっと転載します。 これは深い諦観…

「イマジン」によせて(逆さまにしても真実?)

1971年に発表された、多くの国で国歌の次くらいに好きな人が多いという問題作のジョン・レノンの「イマジン」ってありますが、まったく逆さまのポエムを作ったことがあります。 「イマジン」は中東の人などに聴いてもらいたいような気がするんですが、日…

純文学ショートショート?「タイトル募集中」(オチてたらプチっとよろぴく)

最近、「ショートショート」というのを知らない人もいるんですよねー。 昔はSF御三家って、星新一、小松左京、筒井康隆って、定番でしたけどねー。 阿刀田高さんは今一オチないですね。星新一さん、凄かったです。アメリカだとフレドリック・ブラウンとか…

村上春樹さんの『海辺のカフカ』論ですとか

『落剥』の由名さんとご縁があって、ホームページを純文学同人誌のように改装する前に、三つの大きな文芸評論を書いたりしていました。 「福永武彦論~サナトリウム文学の遺産」 「村上春樹著『羊をめぐる冒険』論~北海道から見た日本近代」 「村上春樹著『…

当誌の同人の山雨乃兎さんのご紹介

比較的最近、兵庫県の男性の山雨乃兎(やまめ・のうさぎ)さんが、中長編3作ひっさげて当誌に参加してくださいました。 元プロのドラマーで、自営業を営みながらプロ作家になる夢を追いかけておられます。 作風はやや中間小説的かな。あまり分裂気質ではな…

『ノルウェイの森』論(犬儒)で知的障害問題に踏み込む

もう連休も終わっちゃいますね。皆さん、サザエさん症候群かなあ。 入院体験ある方も多いと思うのですが、何か変だと思いませんでした? ご自身の病気で、回りの観察どころじゃなかったかもしれませんが。 日本は精神科入院病床数が、欧米中国の人口比5~1…

『ノルウェイの森』論(検索1位)より、阿美寮について

『ノルウェイの森』の話が注目記事になったりして盛り上がっているようなので、その流れでもう少し続けますか。 病気になりました、はいどうしましょう、という話があるわけなんですが、転地療法、作業療法などありましょうか。直子に提示された治療方法が京…

純文学ショートショート?「帰りたい」(オチてなかったら御代はいらねえぜ)

三連休の中日ですね。明日また長いの紹介しますけど、今日は休養で短いの紹介します。 また『犬儒の本』より。 ショートショート『帰りたい』 (札幌からの報道による) 犬儒 がらがらがら。(初老の男性が飲み屋に入ってくる。) 「こんばんはー。今日は寒い…

純文学ショートショート?「やりたかった結婚式」(犬儒)

いつも長いものを紹介しておりまして、消化不良になっておられるかもしれませんが、すいません。 また当誌の『犬儒の本』より、短いの紹介します。落ちのある超短編小説のことですね。「ショートショート」。昔は星新一さんが有名でしたが、最近は阿刀田高さ…

日本最大のベストセラー『ノルウェイの森』は統合失調症を描いていたと思いますよ

「検索1位「『ノルウェイの森』論」より、「(単純型)統合失調症」の解説 」 が、「統合失調症 注目記事」で4位になったりしているようです。 さかのぼって読んでいただけると、この文芸評論の1,2節も転載してあるのですが、ちょっと手間なので、また再…

当誌の同人のfool's kneelさんのご紹介

↑蘭の写真ばかりでしたが、たまに月下美人を。お袋が咲かせました。 fool's kneelさんとは純文学同人誌、創刊前くらいからのお付き合いになります。 埼玉県在住の不惑になった方なんですが、13年前から掲示板に書き込みしてくださっていたです。 今、生活…

検索1位「『ノルウェイの森』論」より、「(単純型)統合失調症」の解説

以下、転載文、タイトル通りの内容ですが、ヤフー等で「ノルウェイの森論」で検索すると1位になっているはずです。 まだ半分くらしか書いていないのですが、書きたい事はおおよそ書いてしまったので、何か僕も「燃え尽き症候群」みたいになっています。ライ…

自伝的恋愛小説『暁』(犬儒)のご紹介

過去に「緊張病」の恋人がいました。緊張型統合失調症らしくもあったんですが、僕が見た限りでは幻覚や妄想はありませんでした。混迷と興奮の極があったかな。 同じ緊張病でも「古典的ヒステリー」で動けなくなった可能性などもあったかと思います。 精神科…

純文学ショートショート集?『犬儒の本』のご紹介

同人誌創刊前に三つの文芸評論などを書いていて、旧帝大文学部あたり等かな、いろいろな方がアクセスしてくださっているようなのですが、2000年から2005年頃まで、6年でショートショートを9作品だけ書きました。 あまり自分が創作をするとは思って…

当誌の看板小説の『落剥』(由名)のご紹介

このブログ、『犬儒のHP~本格派「当事者」雑誌』のコンテンツのブログなわけなんですが、もう文芸同人誌(純文学?)に改装してから9年経ちますので、かなり作品が蓄積されました。 最初の頃に収録させていただいた大きな作品なんですが、『落剥』という…

当誌のもう一つの『ノルウェイの森』論

世界的ともいえる大ベストセラー『ノルウェイの森』ですが、ヒロインの一人直子の病気に関して、なんだかよくわからないで読んでいた方も多いと思います。 縊死の直前くらいに幻聴などがあったと書かれていますが、まあ先行していた病状は統合失調症の陰性症…

「村上春樹著『ノルウェイの森』論~統合失調症の恋人」冒頭

1987年の発表で、もう古典に近い定番の名作とされますが、村上春樹さんの『ノルウェイの森』、上下巻合わせると一千万部以上売れたという日本最大のベストセラーになりました。ちなみに、『こころ』とか『人間失格』で600万部くらいらしいですが、読…

え?!、「犬儒のHP」はパリのサロンか?

……みたいな面々は集まってますねー。 苦節、ホームページ開設14年、『本格派「当事者」雑誌』にリニューアルしてから、9年ですが、京大卒の心理学者の方の中編小説5編とか、東大国文科卒の当事者の方の創作とかは集まっていますね。 あと教育大中退で国…

山雨乃兎さんは2代目編集長できますよー

ロートルの僕には新技術で、いまだに「トラックバック」も良くわかんないのですが、このブログの基礎部分、山雨乃兎様に作っていただきました。 いろいろ文書もとりあえず代書していただきました。ありがとうございます。 ウェブ上の雑誌の編集にはおそらく…

『犬儒のHP~本格派「当事者」雑誌』のご案内

行けー、現代のフランツ・カフカ達よー!(意味不明) ということで9年ほど運営させていただいてきたのですが、にほんブログ村にやってきましたー。 メインページのアドレスは、 http://homepage1.nifty.com/kenju/ 犬儒のHP~本格派「当事者」雑誌 です…