犬儒のブログ

当事者のアマチュア文芸雑誌の編集顧問を務めています。『ノルウェイの森』の直子と同病の単純型統合失調症です。

曜日を間違えていましたー、失礼いたしました。

 昨日なぜか夜中過ぎても投信の価額表示されないので、変なように思っちゃったんですが、昨日は土曜日だったから、当たり前でしたね。

 チャーミングな女性と知り合えて舞い上がっちゃったかなー?

 週末は文学の話しとかするんでしたね。

 ええと、リンクにも置いてありますが、というか、このブログは『犬儒のHP~本格派「当事者」雑誌』のコンテンツなんですが、宣伝用ににほんブログ村に参加しています。

 なんかいつも文学の話だかなんだかよくわからないのですが、まあ、大変失礼しております。

 同人誌のかなりの作品をご紹介させていただきましたので、もうあまり紹介できる作品もないのですが、どうしましょう。

 以前も転載したかもしれませんが、『犬儒の本』からご紹介しますか。純文学ショートショート集なんですが。

 

犬儒のHP〜本格派「当事者」雑誌

の、

犬儒の本』

より。

 


ショートショート『やりたかった結婚式』

                         犬儒


  十二ヶ滝市役所の市民課の窓口の女性は退屈でちょっとあくびをかみ殺した。

  男女の二人連れがこちらの方に来るようだった。何の人だろう。
  中年の眼鏡をかけた男性とやや若い女性。二人ともスーツを着ている。

 「婚姻届をお願いしたいのですが」男が言った。
 「あ、はい」
 「あの、その前に、突然恐れ入りますが、非常に申し訳ないのですが、この場をお借りしましてちょっと結婚式をやらせていただきたいのですが。それほどお邪魔にはならないと思うのですが」
 「え、、、確かそういう形式の結婚式もありましたが、当方の事前の許可が必要だったと思うのですが」
 「いえ、まったく皆さんのご迷惑にはならないかと思います。30秒もしないで済みます。言葉は悪いのですが、黙認していただけませんか」
 「はあ……」

  二人は窓口から少し離れてから握手した。そして窓口に戻ってきた。

 「この婚姻届をお願いします」

  彼女は書類をチェックしたが、整っていた。

 「受理いたします、……あの、」
 「はい」
 「あの、おめでとうございます」
 「ありがとうございます」不釣合いなほど若い新婦が言った。
 「ありがとうございます。こういう結婚式をやりたかったんです」分厚い眼鏡をかけた新郎が言った。
 「大変おめでとうございます」

  夫婦は飄々として立ち去っていった。

  彼女はほとんどあっけにとられていた。

  そして、しばらくしてから途方にくれた。

 

 

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