犬儒のブログ

当事者のアマチュア文芸雑誌の編集顧問を務めています。『ノルウェイの森』の直子と同病の単純型統合失調症です。

地位と名声と富があれば統合失調症を発症しにくい??

 ちょっと古めの本なんですが、印象に残った部分があったので、電子化しておいたことがあります。ええと、別冊宝島ですね。

 回答者の浅野先生は最近は千葉県の精神科医療センター長になっておられるのかな。

 以下、引用ですが、

 

 

Q.分りました。といってもよく分ってはいないんですが(笑)、とりあえず精神病を「長期にわたる明白な精神的異常によって患者の生活を破綻させてしまうような状態」とでも定義しておきましょう。そうすると、精神異常でも生活が破綻していない場合は病気ではないんですね。

A.それは病気とは言いません。

Q.そういう人は、実際にいるんですか?

A.いっぱいいますよ。街を歩いていても、「分裂病じゃないのかな」という人にはよく出会います。しかしそういう人を治療しようとは思いません。なによりも病院に来ない。来なければ病気ではないということです。

 

Q.その人たちは、どんな場所で暮らしているんですか?

A.そうですねえ、ひとりでできるような仕事、対人関係に比較的ストレスの少ない職種に多いんじゃないでしょうか?

Q.芸術家とか?

 

Q.芸術家以外には、どんな職業が考えられますか?

A.具体的な職業を言うのははばかられますけど……。医者なんかにも多いんですよ(笑)。

 体温・脈拍などのデジタルな情報を整理して病名を決定し、規則に従った処方をするだけの外来診療では、患者とのコミニュケーションはつねに一方的なんです。これなら分裂病的な人でも十分にやっていけます。それに、医者という地位の高さ、経済的な余裕が生活の破綻を防いでもくれます。

Q.それならば、地位と名声と富があれば、分裂病的な人でも発病はしないんですか?

A.環境は大きく影響しますね。働かなくても生活ができるくらいの資産がある人は、分裂病にはかかりにくいと考えられます。たとえ分裂病になったとしても、生活が破綻しなければ家に引きこもるだけで病院には来ませんから、病気とは言えません。

 

質問者 アイランド・ブックス編集部

回答者 浅野誠(精神科医)

『精神病を知る本』(JICC出版局、1990)

 

 

 

とのこと。

 まあ、一般的な見解とは若干違いますが、要約すると、コミュニケーションの難しい仕事は就けにくい、あと、地位も名声も富もないと統合失調症になりやすいという見解になりますか。

 まあ聴覚障害者の家系の単なる農民の倅の僕とかは、なりやすいということでしょうか。

 成績がいいので、難しい仕事とか割り当てられたことになりますが、「書き言葉」とかの世界で成績はいいんですが、会議とかやってもあんまりうまくないんでしょうねえ。

 だいたいの人は、発病というより挫折のポイントで精神科に行きますね。生活の破綻とか。資産とあるとあんまり挫折はしないで、せいぜい仕事辞めるくらいですか。

 あるいは障害年金が病者を救うような事もありましょうね。

 

 「病院に来るなら病気」とも言えるわけですが、若年性の糖尿病で精神科に2回くらい入院していたら、統合失調症というの認定されて、精神2級の年金が当たるようになったケースとか3例くらい見受けました。本当は糖尿病は悪くても身体3級までなんですが。

 ブログで有名なkyupin先生という方が書いておられたですが、「生物学的な統合失調症」(真の統合失調症)と「診断基準上の統合失調症」(症状が当てはまる)があるらしいです。

 ちなみに、薬は対症療法の薬しかないから、いずれにせよ効くんでしょうかね。

 

 それにしても、僕はオリジナル家庭でのディスコミュニケーションがあとあとの破綻につながったでしょうか。

 誰にも悩みを相談する習慣も、なにもなかったです。

 思い出すだけでも疲れますよね。

 まあ、敗北主義をやめて自虐的にならない方がいいんでしょうけど、喫煙なんかもかなり自傷行為的なんでしょうね。

 可能性があったと思うので、それだけに残念です。まあ、文学活動という結論に達したので、前向きになりますか。

 それにしてもなかなか幸福にはなれないですね。思いついたのでベートーヴェンでも聴くかな。……カルロス・クライバー指揮の「運命」。

 ええと、好きな言葉ですが、「自由とは自助努力であり、それを支えるのは楽観主義だ」(梅田望夫)という感じで行きたいです。

 多分、いつの時代も絶望は死に至る病なのでしょう。

 

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